また、倉敷市には伝統的な郷土料理の「しのうどん」がございます。
しのうどんは、岡山県倉敷市の玉島にある曹洞宗の名刹・円通寺の修行僧が江戸時代に食していた「一節一椀」と呼ばれるうどんが由来となっています。
特徴としては何といってもその形状です!!幅が2cm以上、長さ1m以上。食感としてはとても柔らかく『和風ラザニア』と呼ばれることもあります。
明治の文豪・徳冨蘆花が大正7年に玉島を訪れた際の出来事を綴った「玉島日記」には、「円通寺には名物饂飩がある。一筋一椀という手打だ」と記されています。しのうどんは昭和になってからも茶会や花見などの行事で円通寺を訪れた人などに振る舞われていました。
しかし、昭和40年代後半から昭和50年代前半にかけてこの習慣もなくなり、全く食されなくなりました。この状況を憂いた有志が2002年に「玉島おかみさん会」を発足し、しのうどんの復活に取り掛かり、現在では麺を購入できるようになっています。また、玉島のいくつかの店舗でしのうどんを扱っており、お店ごとに様々な味で提供されています。
祝い事の際にも食していたことから「祝麺」ともよばれる倉敷市のしのうどんを食べて、温まり良い一年の始まりを迎えてみてはいかがでしょうか。